理科：オキシドールのことを知って、酸素の発生方法を楽々暗記！
こんにちは。艇学スクール東京校で学科師を担当している太田です。
理科といえば理系科目。一般的には計算問題もたくさん出題されそうというイメージがありますが、中学の範囲ではそんなに難しい計算問題はありません。しかもボートレーサー養成所の学科試験では計算問題はほんの少し、大部分が暗記すれば解ける問題ばかりです。
でも単純暗記ってなかなか覚えられないですよね。しかもつまらないですし。。。
だから、理科では暗記分野も理解することがとても大事になります。理解すれば暗記することも楽になりますし、暗記しようと思わなくても自然と覚えてしまうことも多くなります。
今日はそんな理解することで自然と覚えてしまう酸素発生実験のお話です。
では早速始めましょう。
中学１年生で「気体の性質」を勉強しましたよね。水素、酸素、二酸化炭素などの性質や発生方法を勉強したと思います。
・水素の発生方法は亜鉛や鉄などの金属に薄い塩酸を加える。
・二酸化炭素の発生方法は石灰石に薄い塩酸を加える。
と覚えましたよね。これは重要ですからしっかり復習しておいて下さいね。
そして酸素の発生方法も覚えたはずですが、、、
ちゃんと覚えていますか？
「二酸化マンガンにオキシドールを加える」ですね。
或いはオキシドールではなく薄い過酸化水素水で覚えたかもしれません。
おそらく呪文を唱えるように繰り返しつぶやきながら丸暗記したんじゃないでしょうか？
しかもオキシドールが何かも分からずに。。。
もしかしたら、覚えることを諦めた人の方が多いかもしれませんね。
でも、オキシドールのことを少し知ると、、、
このブログを読み終わるころには酸素発生方法も覚えてしまっているかもですよ！
では、オキシドールとはいったい何でしょう？
薬局でも買えますが、濃度3%程度の過酸化水素水のことですね。学校でも習ったと思います。
過酸化水素水は過酸化水素を水に溶かしたもの（水溶液）ですね。
では過酸化水素は？
素直に読むと「酸化が過ぎる水素」、平たく言うと「酸化し過ぎの水素」ですね。
では一般的に水素が酸化すると何になるのでしょう？
これも重要ですよ！ちゃんと答えられますか？
答えはもちろん「水」です。
ですね。
念のため、「水素が酸化する」ときの化学反応式を書いておきましょう。
では「酸化し過ぎの水素」である過酸化水素とはどんな分子式かというと、、、
です。
実は水より酸素原子が１つ多いんです！
確かに「酸化し過ぎ」ですね。
でもこれ、結構不安定なんですよ。水は安定していますが、過酸化水素は不安定。
なので過酸化水素は放っておくと酸素を手放して水になろうとするんです。化学反応式を書くと次のようになります。
そうです。実は何もしなくても過酸化水素は水と酸素に分解してしまうんです。でもそれだと売りものにならないので、安定剤を入れて簡単には分解しないようにしています。
酸素発生の実験で二酸化マンガンを加えるのは先ほどの分解が速く進むようにです。二酸化マンガンはこの実験では、触媒という役割で、自分自身が変化するのではなく、他者の反応を促進するためのものです。ぶっちゃけ無くてもいいんです。
つまり、オキシドール或いは過酸化水素水だけで、もう酸素出ちゃうんですよ！
だから、酸素の発生方法を問う問題が出たら、選択肢から「オキシドール」或いは「過酸化水素水」だけ探せばOKなんです。
どうです？一生懸命、酸素の発生方法は「オキシドールと二酸化マンガン」と呪文のように丸暗記していたのが馬鹿らしく思えませんか？
ちょっと掘り下げて分子式まで調べると、「オキシドールは放っておいても水と酸素に分解する」ことが分かります。そうすると覚える必要なんてありません。むしろ忘れたくても忘れられない状態になりませんか？実は私はそんな状態になっています。（笑）
ちなみに過酸化水素水というと市販では濃度30%程度のものが多いのですが、濃度が高いと危険なので、実験するときには薄めて使います。だから最初から濃度の薄いオキシドールは使いやすいんですね。
最初に水素や二酸化炭素の発生方法を書きましたが、その中で塩酸ではなく「薄い」塩酸としているのは、濃度が高いと危険だからです。わざわざ「薄い」と書いているのにもちゃんと意味があるんですね〜。
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丸暗記ではなくて、「理解」しながら暗記！そうすれば忘れたくても忘れられなくなりますよ！
それではまた更新します！
東京校学科講師 太田
