こんにちは、東京校代表の松谷です。今回の記事では、二次適性試験で重要なポイントとなる周辺視野能力についての解説と、自宅でできるトレーニング方法をご紹介します。地道なトレーニングですが毎日習慣にしてしまえば、二次試験でライバルに大きな差をつけられます。選手になってからも、あなたの選手としての実力UPに必ず役に立つでしょう。ぜひ今回の記事を参考にして毎日トレーニングしてください。
【周辺視野ってなに?】
周辺視野とは、真正面に目を向けている時に真右・真左・足元・など目を向けている方向の周囲を見る能力のことを言います。
ふつう目を向けている方向(これを中心視野といいます)は誰でもしっかり見えます。ところが目を向けている方向から少し角度がずれた方向になると、とたんに全然見えなくなる人がいます。こういう人は「周辺視野能力が低い人」となります。簡単に言うと「周りが見えていない人」のことです。
それとは逆に、目を向けている方向以外もしっかり見える人もいます。たとえば授業中、先生が黒板に何か書きながら話をしているのを見て、視線を先生にむけたまま右の席に座っている友達が教科書で隠して弁当を食べているのがわかる・・という人です。そのような見方ができる人が「周辺視野能力が高い人」と呼ばれます。
図1.目を向けた方向以外を見る(=周辺視野で見る)
【なぜスポーツ選手は周辺視野能力が必要なの?】
スポーツ選手で成績を挙げる人は「周辺視野能力が高い人」です。どうしてそうなるのか?をサッカーのゲームを例にして説明します。
あなたは今、サッカーの試合に出場しています。遠くからボールをもった相手チームの選手が走って、ぐんぐんあなたの目の前に近づいてきます。
もしあなたが、その選手一人だけをマークすればいいならば、ボールを持っているその選手だけ見ていれば済みます。だけど試合で相手を封じるには、ボールを持っている相手一人だけを見ていると不意を突かれて失敗することがよくあります。ボールを持つ選手だけではなくパスを待っている相手チームの他の選手や、味方の配置・守備体制・選手の位置・距離も掴んでいないと良いプレーができないですよね。
このような状況で目の前の人に注目しつつ、同時に他の選手の様子や動きも目の隅でチェックして把握できている・・このような見方ができる選手がゲームを支配できる優秀な選手となります。
一人だけを注目して見る・・ということをするとき、あなたの目は次の図のようになっています。真正面をまっすぐ見ている状態ですね。
図2.真正面を向いて左右(周囲)も見えるのが良い選手
この目の向きで、左右・周囲の様子が把握できるのが良い選手になる人です。この場合、はっきりクッキリ見えてなくても大丈夫。人がそこにいる・・左に走り出した!・・止まった!・・というのがわかれば良いのです。これが良い選手となる人の見え方です。
ボートレーサーもプロスポーツ選手です。それも非常に高速なレース展開で、周囲の状況を把握して判断することを要求されるスポーツ選手です。ボートレーサー試験で周辺視野能力を検査されるのは必然と言えます。
【ボートレーサー試験ではどう検査するの?】
「周辺視野能力検査」の内容とトレーニング方法をご紹介していきます。
図3.周辺視野検査(目と手の協応動作)
上の図が「周辺視野能力検査」の様子です。
壁に立てかけられた赤黒い板に、碁盤の目のように格子があり赤く光ります。光る部分(赤い玉)は上下左右に飛んで動きます。かなり早い速度で赤い玉は動き回ります。その光った玉を指で押していき、一定時間で何回押せたかを数える検査です。
まず検査開始時、この赤黒い板の前に立ったとき、全面を目を動かさずに一目で視野に入れることが最初の第一歩となります。赤黒い板の真ん中付近だけ注目して、端の方が見えないままだと、左端から右端へ光の玉が動いた際に、途中で玉を見失ってしまいまったく押すことができなくなります。それは低得点の人が陥りやすいミスです。そうならないためには、日ごろから一目で見える範囲を広げ、周辺視野を鍛えておくことが重要です。
【周辺視野を鍛えるトレーニング】
周辺視野を鍛える具体的なトレーニングをご紹介します。
図4.周辺視野トレーニング(壁ポスター)
上の図のように、壁にポスター等の印刷物を貼ります。中心に点など印をつけます。その印の方向に目を向けて動かさない状態で、なるべく中心部分から遠くの印字を読んでいきます。
この場合、ポスターの端へ目を向けて読んではいけません。あくまで目の方向は中心の印に向け左右や上下には動かさない。コツとしては、できるだけ目を見開いて(目玉を大きく開ける)じっと見ます。そのうち、中心から少しずつ広い範囲で文字が読めるようになっていきます。クッキングタイマーなどで1~3分間、時間経過したらピッピッピッと鳴るようにして行うとよいです。毎日1回やるだけで、1か月するとかなり広く見えるようになります。
この試験の対策としては、動いている赤い玉を正確に目で追えると、さらに試験では有利になります。正確に目で追うためには、目を前後左右に素早く動かすトレーニングを行うことが有効です。そのために有効なトレーニングは「指サッカード」です。これは以前に配信したブログ記事で解説しているので、バックナンバーを参照ください。
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