ボートレーサー養成所(旧やまと学校)の入学から卒業まで
ボートレーサー養成所(旧やまと学校)入学から卒業までわずか1年間の訓練ですが、カナリのボリュームの訓練内容となっております。
1年間でプロを育てるためのカリキュラムだからです。
この訓練に1年間絶えてこそ精神的に成長があり、プロボートレーサーなる資格を得られます。
このページでは、訓練の具体的な内容や学校での試験内容、学費について紹介します。
ボートレーサー養成所(旧やまと学校)の選手養成訓練の内容
主な訓練内容は大きく分けて学科、実技、その他に分けられます。それぞれの内容は以下の通りです。
学科 | 関係法規 内燃機関 電気工学 流体力学 材料学 操縦学 整備学 気象学 |
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実技 | 操縦実技 整備実技 |
その他 | 徳育(倫理意識の向上) ビジョントレーニング(スポーツビジョン能力の向上) メンタルトレーニング(集中力・イメージ力等の潜在能力の活用) マシントレーニング(基礎体力の向上、筋力の強化) 選手招聘(しょうへい)訓練(現役選手による操縦、プロペラ修正等の指導) 整備士招聘訓練(現役整備士による指導) 現地訓練 |
1年間での訓練時間の配分は、期によってバラツキもありますが、実技分野の操縦の訓練が一番多いです。
1年間フルに使って全てのカリキュラムを終了させなければいけないので、四六時中訓練をしている状態となります。
学科 | 約280時間 |
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実技(操縦) | 約950時間 |
実技(整備) | 約550時間 |
その他 | 約140時間 |
また、時期によって訓練の内容が変わり、主に基礎訓練期、応用訓練期、実践訓練期の3つに分けられています。
それぞれ訓練内容変わってきます。
基礎訓練 (入学〜3カ月) |
基礎の習熟とルールの理解。 操縦では、慣熟航走及び基本旋回を中心に行い、整備では、装着、計測、モーター分解組立等を行います。 |
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応用訓練 (4カ月〜7カ月) |
実戦に向けてのステップアップ。 操縦では、2艇及び3艇での旋回、スタート・旋回を中心に行い、整備では、性能向上整備、基本的なプロペラ修整等、実戦に入るための訓練を行います。 |
実践訓練 (8カ月〜卒業) |
プロへの最終仕上げ。 模擬レース等の実戦訓練に入るとともに、現役の選手、整備士等を招聘し、より高度な技術指導を行います。 また、リーグ戦、卒業記念競走等も行います。 |
という選手養成訓練内容になっています。
ボートレーサー養成所(旧やまと学校)での進級試験と班別試験の基準
ボートレーサー養成所(旧やまと学校)に入学さえできれば、選手に必ずなれるというわけではありません。
以下のような進級基準や卒業基準を満たさなければ卒業することができません。
進級試験
進級試験とは入学後に進級の可否のために実施されます。偶数期なら8月、奇数期なら2月に行なわれます。
その結果、以下の場合に退学となります。
1、進級試験において、全7科目中、60%未満の科目が3科目以上ある場合
2、総合成績において、学科・操縦・整備科目のいずれかが60%未満の場合
卒業試験
卒業試験とは卒業の可否のために実施されます。偶数期なら2月、奇数期なら8月に行なわれます。
その結果、以下の場合に退学となります。
1、卒業試験において、全5科目中、60%未満の科目が3科目以上ある場合
2、総合成績が60%未満の場合
※総合成績とは、直近2回の班別試験と進級試験とをある割合で合算した成績です。
班別試験
班別試験とは全4回が予定されており、課業の進捗状況を把握するために実施されます。学校でいう中間テストや期末テストのようなものです。偶数期は5,7,10,1月、奇数期は111,12,4,7月に行なわれます。
その結果、以下の場合に退学となります。
1、第1回および第2回班別試験の得点率が20%に満たない場合
2、第3回および第4回班別試験の得点率が20%に満たない場合
リーグ戦
リーグ戦とは、同期の訓練生同士が学校内で実際にレースをします。入学後8ケ月後位から実施されます。期にもよりますが大体8回前後行なわれます。
その結果、以下の場合に退学となります。
1、リーグ戦において勝率が著しく低い場合または事故率が著しく高い場合
成績優秀者の優遇
ボートレース学校でのリーグ戦での成績により、以下の条件を満たした者は、デビュー期(5〜10月または11月〜4月)にB1級と同等のあっせん日数が与えられます。
この場合、原則として前半3ヶ月間は地元及び近接地区へのあっせん、後半3ヶ月間は全国へのあっせんとなります。
勝率 | 6.50以上 |
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二連対率 | 30.00%以上 |
事故率 | 0.70以下 |
※最低出走回数はリーグ戦実施状況を考慮し別に定める
やまと記念競走(やまとチャンプ)
やまと記念競走は卒業式の日に行なわれる、その期のチャンピオンを決める記念レースです。
現在ではリーグ戦の合計勝率上位6名がこの競走に出場することができます。
「やまとチャンプ」とはこのレースに優勝した者をいいます。
2001年までボートレーサー研修は本栖研修所であり、当時は「本栖チャンプ」と呼ばれていました。
第36期から第87期までは「本栖チャンプ」、第88期からは「やまとチャンプ」と呼ばれています。
卒業記念競走が行われるようになったのは、36期からであり、35期以前の本栖チャンプは存在しません。
最近では、やまと記念競走の前に、地区別対抗戦、女子戦、スポーツ推薦対抗戦など各種工夫を凝らしたレースとなっており、卒業前のお祭りのような行事となっています。
ボートレーサー養成所(旧やまと学校)の学費
ボートレーサー養成所(旧やまと学校)での教育費用は無料ではありません。選手一人を養成するのに1000万円ほどかかるといわれています。
養成訓練中の宿泊費・食費及び養成に必要な費用の一部として
・月額10万円(年間120万円)
・その他、三次試験合格後にヘルメット購入費用として4万5千円(税込)
・および学校指定ジャージ代等として約4万円
・その他養成期間中の諸雑費等
が必要になります。
※ちなみに受験手数料は、1次試験3000円、2次試験6000円、3次試験3000円です。